当たり前ですがベトナム人にはいろいろな名前の人がいて、
誰に何を頼むのか、最近見ない人は異動したのか、などの会話に個人名が出てくる。
四半期に一度、スタッフ一覧が現地から送られてきます。
そこには名前とカタカナの読み方が書いてあるので、それで話せば通じるもんだと私たちは思っていた。
が、通じない。
「ロックさんはどこ行ったの?」
「ロックさん誰?」
「この人、この前の名簿には入ってるんだけど今回いないじゃん」
「あ、ロッさんね。ロックゥはおかしいですね〜(爆笑)」
その後名簿に群がり読み仮名に爆笑するベトナム人集団。
じゃあ誰が読みを振っているのか?というと
これは向こうの課長さんだそうです。ベトナム人。
なんで日本語のわかるベトナム人なのに仮名がおかしいかというと、
名前をカタカナでどう書いたらいいか分からないからヘボン式+日本で生活したことのある(=カタカナで名乗れる)スタッフの名前の応用でどうにか振っているとのこと。
あんだけ爆笑してた人らも笑ってたくせに正解は分からないんですって。
どうりでで課長にも音声だと通じないわけだよ。
「トンさんは忙しそうですか」
「トンーさんですか?タォンさんですか?」
「3班のトンさん」
「あー、トンさんね。はい、わかります」
で、向こうはこっちでいうところのタンさんの話をしてたりするわけ・・・。
アルファベットを入れて会話ができるチャットの方がやりやすい。
さらに面倒なのが、職場の年配の?方々の発音である。
発音しづらいカタカナを適当に飛ばしたりするのでもはや日本人相手でも通じない。
発音だとトゥーンが近いTuanさん。課長はトゥアンと仮名を振る。
トゥを発音できないこっちの上司はゥを無視してトアンさんと呼ぶ。
「トアン君に言っといてよ」と頼んでも最初は首を傾げられフルネームで言い直し、本人は呼ばれても気付かない。
(ちなみにTuanさんは社内に複数名いるのでこれが頻発する。)
じゃあもうクオック・グーを勉強して読んでやれと言われてもますます難しく、
実際ベトナム人に発音記号を訊いてもなんだかよくわからない。
声調記号の形に指を宙で動かして「ほら見た目どおりだろ?」みたいな顔されるんだけどわからない。
向こうは向こうで必死に日本語の勉強をしているので
こっちがうまく発音できないのが余程おもしろいらしく、
「で、アンさんには引き続き〜」
「アィンさんです!アンンさん違うね!」
「アィンさん!」「アィンさんね!」
「芝浦さんベトナム語難しいですねえ、がんばるね」
といった感じである。
会社の方針としては「日系企業だからカタカナ読みで通したい」ということのようですが、
あまりに通じないなら日本人が振り直した方がいいのではないか・・・?