クズは定時で帰りたい

趣味の時間を捻出するブログ

飛ぶわ!と思った日のこと

これ、この前のもだけど十年以上前の記録を引っ張り出して

問題ありそうな箇所は適宜削って足して書いてます。

 

 

宿坊の朝。

しかし素泊まりなので食事は買ってあったおやつとパンと魚肉ソーセージ。

食べながら見ていた天気予報では「室戸付近を台風並みの温帯低気圧が直撃」とのこと。

大雨洪水暴風波浪警報だってさ。フルコースじゃん。

なんでよりによっていま最御崎寺にいるのか・・・。

内陸に住んでいたからか、波浪が身近に迫っているのがやたら怖い。どうなるんだよ。

 

立江寺門前町で雨具用に買ったビニール袋に首の穴を空けて着てみた。

荷物と「気をつけ」の私がぴったり収まった。

こんな気をつけ、ガールの戸隠キャンプ場で国旗降納したとき以来だよ。

詰め放題ならもうみかん1個入るかどうか。文旦は入らないな。高知だけど。

っていうか息ができないよ!!

試着すればよかった。

 

慌てて売店でポンチョを購入。

室戸にいてよかったのか悪かったのかよくわからなくなってきた。

 

新品のポンチョをひらひらさせ、止めてくれるなとチェックアウトしたが

「お気をつけて」

「行ってまいります」

と普通であった。

止めてよおおとちょっと思った。いやもう行くって言ったから行くけどさ。

 

最御崎寺からはまず55号線に降りねばならない。

その名も室戸スカイライン

晴れたら遮るものもなく最高だろうね。今は遮るものもなく飛ばされそうだけどね!

ポンチョを着ているので気分はももんが。マジで怖え。

 

ようやくスカイラインを降り、住宅街へ。

住宅街も改めて見ればさすが台風仕様というか、人気もなく地面にぎゅっと張り付いている。

出歩いてる私がバカみたいな感じがしてくる(たぶんバカ)。

 

津照寺の立地についてすっかり忘れていたが、こちらも高台にある。

っていうのを到着して思い出した。

しかも最御崎寺と違ってバックアップが薄いのでどこまでも飛ばされそう。

むしろ寺ごと飛んだことあるだろこれ。

 

急な階段を上り、海辺感のある門をくぐる。

晴れていたら素敵なんだろうけど、「大雨洪水暴風波浪警報だぞ、そんな素敵な門を構えてる場合かよ・・・」としか思えない。

こんなんじゃあ線香もろうそくも消えちゃうよ・・・と向かった本堂はなんとガラス戸。

なんだかんだで小一時間強風に当たっていたからか、堂内では現実感がないというか不思議な気分だった。

 

再び階段を降り、こちらもガラス戸の大師堂へ行き、納経所へ。

「すごい風ですね」なんて話をしつつ・・・と思ったらどうやら出掛けるところだったのか、えらいばたばたしていた。

いや、この大雨洪水暴風波浪にツッコミをしたいじゃんここは。

階段降りながら「風すげえ」と言ってみたが、暴風に紛れて消えた。

 

次はバックアップのある山、金剛頂寺

坂を上り始めたら風雨が弱まった。

ただ畑はもはや畑なのか水田なのかわからない、辛うじで段差のある池。道は浅い川。

参拝しているうちに雨が止んで明るくなり、ようやくひと休みしていると夫婦が声をかけてきた。

「よかったら車で一緒にまわりませんか?」

 

そんなわけでそこから国分寺まで一気に進んだ。

ごはんまでお接待してもらってありがたや・・・。

 

ところが国分寺、周りに宿が少ない(当時)。

聞いてみたが国道まで出ないとないそうで、国道沿いのビジネスホテルを予約して向かう。

へんろ道からは大きく外れるので不安でいっぱい。

休足時間とか買ってみようかな・・・と思ってドラッグストアに立ち寄り、店員さんに訊いてみた。

「あの、休足時間もどきみたいなやつないですか?」

・・・なんで最初から「もどき」を探したんだろう私。