出向して7か月。
すこぶる快適である。
しかしある日いきなり会社に呼ばれた。
「芝浦さんを会社に戻そうと思って」
は??????
「何があったんですか?」
「いや芝浦さん言ってたじゃない」
「ええと身に覚えがないんですがいつですかね?」
「この前の面談だよ。
それで口裏を合わせてほしいんだ、芝浦さんから戻りたいってまず話をしてほしくて〜」
「待ってください。ちょっとわけがわからないです。経緯を教えてください」
話を聞けばとんだ曲解である。
出向先はどんな感じかという話を上期の面談でして、
「いやほんと定時で帰れるしみんな親切だし勉強になるし、
これでお金稼げてるなんて会社の人に申し訳ないくらいです」
「何かできることがあれば出向先の退勤後に手伝うので言ってください」
とは言った。
それがなんか戻りたいという意思表示になったらしい。
なぜ????
申し訳ない=ここにはいられないほど辛い、になぜなる?
ならなくね?
つーかそれでそうなるなら我が上司は早期に救いの手が差し伸べられて休職しなくね?
「確かに申し訳ない気持ちはあって、
残業の手伝いをするのもやぶさかではないという話はしましたが、
戻りたいとは全く思ってないですよ」
「えっじゃあ更新したいの?」
「ええそりゃあもちろんしたいですよ。昨日そういう話を向こうのボスとしてきましたし」
「あっ・・・そう・・・。ならよかった。うんうん。よかった」
「芝浦さんの気持ちが聞けて良かったよお」
奥野親道もひれふす棒である。絶対そう思ってねえ。
気になって訊いてみた。
「ところで私を戻す目的はなんだったんですか?何をする予定だったのでしょう」
「例えば○○社から問い合わせが来ててえ、そういうのもあったりする」
例えば?
問い合わせ?
社歴10年をなめないでほしい。
問い合わせで実際に立ち上がるのは10%もない。
それで異動をかけるのか。
そもそも新規対応の部署があるはず。
社内で適任が私しかいないということなら(※まずない)、
そんな属人的業務はやったらだめだ。
あと「例えば」って何よ。明確なものがないのかよ!!
仕事の「いろいろある」ってあてにならねえよ!
「あのー、こういう言い方は良くないとわかっているんですが
10年やってるとですね、『例えば』とか『問い合わせ』とかで異動ってのは
さすがにちょっともういくらなんでも信頼できないんですよ」
「うっうん気持ちはわかるよ、ただあるにはある」
わかってたらそういう言い回しにならねえだろ・・・
というか曲解そのものが表向きの話だった。
「・・・それはそれとしてNさんどうかなあ」
「Nさんも出向ですか?」
「お子さんいて休みがちだけどどうかなと思って」
「どうでしょうねえ・・・人が足りない感じは今のところなさそうですが」
・・・無理だと思う。
子供がいて休みがちなのはさておいて、それ以前の問題があるように思う。
彼女の上司がサジを投げたのは別のところから聞いている。
例によって窓口はやりたがらない。
それを出向ならどうにかなるだろうと出すのは親会社からやめろと言われているではないか。
さらに
「でもさ、芝浦さんが『もうここで学ぶことないな』って思ったら戻ってこれるからね!」
うぉい!!
客先の!!スーゼネの!!専門部署で!!!
もういいやって思うことがあるわけないだろうがよ!!
噛み合わないなあ・・・