クズは定時で帰りたい

趣味の時間を捻出するブログ

そっちのセリフだった

今週のお題「怖い話」

 

久しぶりにお題で書いてみます。

 

10年以上前の話。

私は大学の夏休みを利用して、自宅(西大寺)から伊勢神宮まで歩くことにした。

天理、室生、名張、御杖と進み5日目。

青蓮寺湖まわりが全く休めずペースが落ちて、予定より若干遅れ気味。

 

ルートは一人旅なのであくまでも国道や県道など、

救急車を呼ぶ事態になっても自分の所在地をある程度伝えられるものを選んでいた。

ってもGoogleマップで「こんな感じかね」とやっただけですけど。

 

伊勢奥津からバスに乗り、御杖の温泉からスタート。

静かな山あいの国道を行く。天気は霧雨。

車通りも少なく、気温もそんなに高くなかったので雨にしてはまあまあのペースで歩いていた。

奥津の集落?を過ぎたあたりから本格的に何もなくなってきて、

トンネルを越え、道の駅で昼食をとり368号線をひたすら進む。

奈良には369号線というかなり重要な道があるのでその仲間みたいな感覚。

 

ところが、道の駅を過ぎてしばらくすると徐々に道幅が狭くなってきた。

「この先幅員縮小」

「〇t以上通れません」

なんて看板が登場。

まあ四国遍路でも狭い国道というのはあって、あんな感じでしょうと思っていたが

ついに公園のサイクリングコースみたいになってしまった。

 

ひとまず雨が本降りになってきたので、道路わきの野原でレインコートを着る。

中断するにも今日来た道を戻るか、進んで山を下りるかしないといけないので進むことに。

だって伊勢本街道ですよ。歴史ある道だから大丈夫だ。

 

と思ったんですけど、まあすごい。

地図で見た以上にぐねぐねしている。しかも狭い、暗い、片側は崖。

さらに国道なので車が10分に1台くらい来る。もっというと一方通行ですらない。

ところどころカーブでちょっと道幅広くなってるかな?ってところで離合しているっぽい。

こんな道をどうして車で通ろうと思うのか。こえーよ。

普通こういう峠があるとそこを境に生活圏が分かれるのでは。どうかしてるだろ。

いまどの辺を歩いているのか?と地図を見ようとしても圏外である。

携帯の電池も電波が悪いせいでどんどんなくなる。

 

ようやく集落にたどり着き、私の知ってるタイプの国道に出た。18時。

しかし当初の行程ではもう一度峠越え(?)があったので

ルート変更をする=地図を見る必要が出てきてしまった。

結局最後の電池で地図を開いて道の駅を発見、タクシーを検索。

閉まって真っ暗な道の駅の公衆電話から宿(前日泊まったところ)とタクシーを確保した。

あやうく雨の道の駅の軒下で野宿するところでした・・・

名張から伊勢だと松阪経由のほうがよかったんですかね」

「当たり前でしょう」

タクシーの運転手さんは冷ややかだった。

 

タクシー代が6500円もかかってしまい、翌日もそれくらいかかる上に一泊追加ではもう予算オーバーなので

翌朝は松阪から伊勢に向かったのでした。

 

あの日はこれまでのいろんな旅のなかで一番怖かった。

 

 

 

しかしあれからしばらくして、「酷道」なんて言葉を知り

酷道をひやひやしながら運転してる人のブログを読んでみたりして思った。

 

客観的に見たら、何もないあんな酷道を雨の中一人で女が歩いてることの方が怖いわ。

あの時のドライバーさん達へ。

そういうわけなんだ。すまん。