私が直接教わった数あるビジネスマナーの中で、
何より消えてなくなれと思っているものがある。
「休暇や病欠の人を電話口で呼び出されたら、休暇や病欠と言ってはならない」
そんな細かいこと言うなよとか、それ気にしてたらなんもできなくね?とか
そういう文句を言いたい程度の話ではない。
もう今夜にでも消えてほしい。
クレームが来たわよ
先月、上司2人の入院と体調不良が重なっててんやわんやしていた初日。
早朝の段階で上司から「午前中は病院に行く」と朝礼がつながらない時用のチャットで連絡があった。
私は電話業務の日だったのでできることもほぼ物理的になく、
ひたすら電話を取りながら上司の回復を祈った。
昼、その客先だが私が担当している方の業務の偉い人から電話がかかってきた。
「芝浦さん、これ芝浦さんに聞くことでもないかもなんだけど
芝浦さんしか携帯の連絡先わかる方がいなくて。
Yさんは何がどうなっているか何かご存知ですか?」
「大変申し訳ございませんがYは体調を崩して病院に行っております」
「え?そうなの?だから携帯つながらないのかー。じゃあ全然いないの?」
「状況がわかり次第連絡をもらうことになってますので、
恐らくまだ戻ってないのだと思います」
「なんかね、向こうの部署が言うには、会社にかけたら離席しているの一点張りで
本人からは何時間も何の音沙汰もないから
どうなってるのかさっぱりわからないんですよ」
「大変申し訳ございません」
「いやあ病院なのね、納得。わかりました」
そんなわけである。
病院を離席とは。
どう考えても離席では済まないよね。病院だもの。
いや電話取った人が誰だかわからないが、どんだけ病院近くて空いてんのさ。
まあそもそもYさんが病院の待合室でメール入れるとかしてほしかったのだが、
それだってマナーを守っていたら「ちょっと今は!」の一点張りになる。
こんな嘘はおかしい。
そういう話ではないけど
そもそも何故休んではいけないことになっているのか。
「電話/メールに反応がなく事情もわからなくて腹立たしい」
という事態はかなり珍しい。
営業の電話なんかだと「いません」「また日をあらためます〜」だ。
急ぎの案件が発生して連絡したとしても、急ぎというのは発生させた側の都合なわけで
つながらないから無責任という話にはならない。
こんなのは腹を立てる方がおかしい。前世は神でもやっていたのだろう。
何かやらかした場合も、「納品を忘れてた」「納品したけど不良品」なんてのはこちらが悪いが
「これ今日納品しなきゃだけどこっそりやめておこう。明日は有給!」
なんてクレイジーなことは想定されていない。
そんなつもりはなかったが・・・という話だし、
悪いのは不良品や納期遅延であり休んだことではない。
バックアップがぼろぼろならバックアップがぼろぼろであることが悪い。
残りのメンバーが大変ならそんな状態で前の日を終えるのが悪い。
この嘘に意味はあるのか
こんな嘘で誰が助かるのだろう?
例えば私が今日の昼に納品するものがある。
でも急病で昨日から意識不明で入院している。
客が会社に電話をかけるとずーっと
「芝浦はただいま離席しております」
「芝浦はちょっと今不在です」
これ、私は「約束を故意に破って連絡もなしにどこかへ行っている奴」ということになるし
会社は「そういう奴を雇っている会社」になるのでは?
つーか「離席中です」で
「じゃあ戻り次第至急納品して電話もらえるよう伝えといてください」ってなったらどうするのか。
「あっ本日は急遽入院になってしまって不在です」と嘘を白状するのか?
それともあくまで離席中の体で、意識ない私に「お客さんから催促されてるよ」などとメールでも送ってはい完了とするのか。
マナーって相手が不快にならないための配慮だと思うのだが
これって不快かどうか以前に契約違反だし。