役員の機嫌が悪いらしい。
原因はわからない。
とはいえこっちも用事があるのでやらねばならない。
まずメール。
特に新規事業でもない案件の見積を全部確認してもらわないとだめなのだ。
なぜならその役員が営業担当だから。
金額も内容もそもそも見積申請すら要らない内容だし、
窓口(私)と営業が違うのはかなりイレギュラーである。
これまでずっと同じメールの使い回しでやり取りしてきて、
「確認しました。OKです」とか来るんだけど
今回はなかなか来ない。
それがなんか「情報ありがとうございます」と赤の太字で来た。
ん?結局OKなの?なんなの?
ただこういうメールの無駄加工をする時は大概機嫌が悪い。
「つまりどっちですか」などと訊いたら私だけでなく私の上司まで説教である。
私の人間性まで管理せよと言われるのはかわいそうだ。
ということで上司に相談した。
「さっきのメールですがいまいち意味がわかりません。見積提出していいのでしょうか?」
「たぶん『見積を確認してくれ』という意図がこれでは伝わりませんよって言ってると思う」
「これまで普通にOKだったメールがいきなりだめと言われると正解がわかりません」
「私もわかりません・・・超めんどくさいね。
これから打合せなんだけど嫌な予感しかしない・・・」
そんなわけで見積は提出した。
だってさ・・・4000円の見積、しかも年末、向こうだって「何がそんな時間かかるの?」となっているはず。
夕方。
みんなの残業を取りまとめていると、隣の上司が喋る。
「芝浦さん。さっき僕と芝浦さんHさんと出向者のチャットに連絡行ったと思いますが
あれを申請に入れといてほしいんです」
「わかりました」
「お手数おかけするんですけどお願いします」
彼のこの言い方はなんかあるぞ。
私のゲスセンサーが働く。
「へー。全然手間じゃないんですけど(外国人の外国訛りの音声拾う方が大変)、
ついこの前『出向』じゃなくて『派遣』にしろって変てこりんなご指示頂いたばっかりですがねえ?」
「ほんっっっとそうなんですけどね〜ふぅ〜ん。ままま、お願いしますぅ」
そうなのよ。
これまで「出向(だから申請は別ルートだよ)」と書いていたのだが、
ある日いきなり「派遣」にしろと言われたのだら。
他の人は「Aさん 見積作成 0.5時間」つまり「Aさんが見積もりをしますよ」という表記なのに
出向組は「Bさん 派遣」、「会社がBさんを派遣してます」となり
表記がぶれる。
っていうか派遣業じゃないから派遣って書くのまずくねえ?
案の定夕礼の直後に隣の上司からチャットが来た。
「なんか私めっちゃ怒られたんですよ。管理職が管理できてないとか、そんなんテレパシーできへんのに😓」
「そこまで管理できたらそもそも出向先がメンバーこっちに置いたまま管理すりゃあいいわけで、出向する必要ないですよね」
「今日いろいろあったんすよ・・・お察しください」
相変わらずだな。めんどくさいぜ・・・